私は、PL配合顆粒について、アセトアミノフェンを配合しており風邪(感冒)の諸症状の効く薬という程度の認識しか持っていませんでした。
恥ずかしながら、患者さんからPL配合顆粒について、どういう症状に効くのか質問を受けた時に、調べて対応することになり、手間取ったのが今回の勉強のきっかけです。
勉強してみると新しく知った事が多かったので、記事にしました。
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メルカリへのリンクはコチラ<PL配合顆粒の効能又は効果>
「感冒若しくは上気道炎に伴う下記症状の改善及び緩和 :鼻汁,鼻閉,咽・喉頭痛,頭痛,関節痛,筋肉痛,発熱」
そう、咳や痰の症状に対して効果は認められていないのです。
※なお、PL配合顆粒の効能又は効果に、「咳、痰」が追加されている薬として、ぺレックス配合顆粒があります。ここからは、部分的にPLと比較したいと思います。
<PL配合顆粒の成分(1gあたりの含量)及び薬理作用>
・サリチルアミド:(270mg)
PG合成阻害などによる鎮痛作用や末梢血管拡張などによる熱放散を高めることでの解熱作用。
・アセトアミノフェン:(150mg)
解熱鎮痛作用はサリチル酸と同様中枢性で、体水分の移動と末梢血管の拡張とが相まって起こる発汗を伴う解熱と、視床と大脳皮質の痛覚閾値の上昇効果とによる。(ただし、詳細は不明)
・無水カフェイン:(60mg)
大脳皮質を中心に中枢神経系を興奮、脳幹網様体の賦活系の刺激により知覚が鋭敏となり精神機能が亢進する。
・プロメタジンメチレンジサリチル酸塩:(13.5mg)
強力な抗ヒスタミン作用のほかに、すぐれた抗アナフィラキシーショック作用,抗コリン作用を持つ。中枢神経抑制作用、催眠増強・鎮痛・体温下降・制吐作用、また局所麻酔・鎮けい・血圧降下作用等も実験的に認められている。
※ぺレックス配合顆粒の成分(1gあたりの含量)は、
サリチルアミド(270mg)、アセトアミノフェン(150mg)、無水カフェイン(30mg)、クロルフェニラミンマレイン酸塩(3mg)である。
PLとの違いは、無水カフェイン量が半分で、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩の代わりにクロルフェニラミンマレイン酸塩が入っている。
ここで疑問なのが、クロルフェニラミンマレイン酸塩も抗ヒスタミン作用が主な作用であるのに、なぜ効能効果に「咳、痰」が追加されているのか?
ぺレックス配合顆粒のIFを見ると、臨床成績の項に、「クロルフェニラミンマレイン酸塩の有無で、痰に対する著名な有効性が認められた」旨の記載がある。推測となるが、臨床試験でその症状を試験項目に入れていたか否かくらいの違いなのかな?
ご存知の方がいれば、教えていただきたいです。
<PL配合顆粒の副作用>
NSAIDs のサリチルアミド、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩が抗ヒスタミン作用、抗コリン作用を有していることから、「胃荒れ、眠気、口喝」が想像できる。
実際に、再評価における副作用の発現状況(参考:IF)は、安全性評価対象例数976例に対し、眠気:40例(4.1%)、口喝:29例(3.0%)、胃腸障害:12例(1.2%)であった。